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京阪神が接する三角地帯に生息する団塊世代の新聞記者OBです。好奇心あるがまま独断偏見で備忘録を兼ね日々、更新します(敬称略=プロフィルはWikipedia(室雄二)参照。

上野駅から北へ列車の旅3時間20分


 行ってきた。人生で初めて「試乗会」なるものを経験してきた。

 往復約8時間、新幹線に乗るのもつらい。

 もちろん、上野→新青森駅についてから1時間ほどは、駅構内を案内してくれたけれど。


 同行する車内には、誰も知らない年配の関係者もどきの人ばかり。

 新聞や本も持って行ったけれど、せっかくだから、時間がもったいない。北の街の紅葉も見たい。

 八戸駅から80キロ延伸したところが肝なのだが、その間に「世界最長」ともいわれる八甲田トンネル26・2キロ。

 そのほかにも、トンネルだらけで、景色を楽しむどころではない。

 その間には早慶戦の優勝決定戦だって、あるので見たいけれど、トンネルだらけでワンセグ視聴も不可能。

 申し訳ないけれど、新幹線の試乗会って、なんだろう。

 エライさんばかりに世話焼いていただいた係の人には申し訳ないけれど。

 おりしも、口内炎で熱っぽい。口の右上がはれぼったい、目までかすむようで参った。

 弁当など、軽食類も出してくれたけれど、痛くて、しみて美味しくない。


これは記念のお弁当。ご馳走さまでした。ニンジン、ゴボウの煮物、紫蘇巻きも入っていた。フー。

 駅の完成開業は12月4日。周辺はまだ殺風景そのもの。

 そういえば、新大阪駅周辺もそうだった。

 構内を歩くっていっても、すべて未完成だから見るところもない。写真は棟方志功の壁画。
 

 地元の子供らが「郷土芸能」ねぶた囃子を披露してくれたのが、唯一楽しかった。

 ひと列車、333人を乗車させての大デレゲーション。

 乗車している人らは、どうやら、関係者ばかりで、言っちゃ失礼だが、老人ばかり。
  

 迎えるキャンペーンガールさんらも、ニコニコ、ご機嫌伺いで、仕事とはいえ、さぞつらかっただろう。

 「いえー、そんだらことないですぅ」

 「まあ、頑張りなはれ。けっぱれっていえばええの?」

 「えーー、大阪から、ですうかあ。おったってまる?」

 「ん?ナ、ナ、にをいきなり。顔が赤くなるでえ」

 「あっ、いええ、かに(ごめんなさい)。疲れ果てましたかって、いう意味です」

 「・・・・・・」

  

 いやあ、津軽なまりを聞けただけで、よし、とするか。

 と、もう一つナイスなこと。座席にあった車内広報誌。それに掲載されていた伊集院静の染みいるエッセイにも出会えた。

 「黄金色の時間」という一文。

 ほんの一部を紹介する。

 「歳月というものは人のこころのありようをかえる。それを“時間がクスリ”という人もいる。記憶は危うさをともなって不意に忍び寄る。(中略)むかし聞いた老婆の言葉を思い出すようにしている。『あなたはまだ若いから、わからないだろうけど哀しみにも終わりがあるのよ』」

 30前の妻を亡くした想い出の一文なのだが、きっと、亡き夏目雅子へのオマージュなのだろう。

 寂しさから酒に溺れた伊集院。時折、立ち寄る銀座の小さなバーでも仄聞する。

 もう哀しみは終わったのだろうか。